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  • 青木敏朗

果たしてA高は地域の期待に応えられているのか



 上の見出しは、2月1日の某地方紙の1面に掲載された記事の見出しである。この2月7日は、そのA高理数科の前期選抜の試験日で、定員40名のところに、その5倍を超える200余名の受験生が集まったそうだ。


 この極端に高い競争倍率を見ると、A高には地域の優秀な子供たちが多数集まっていることが容易に想像できる。また、同時にA高に対する地域の期待がいかに大きいかも伺い知ることが出来る。しかし、A高は、果たしてその地域の高い期待に十分に応えることが出来ているのだろうか。


 以前にも同様の資料を作成し、保護者向けに配布したことがあるが、今回、それを新たに編集し直した下の資料を、是非、皆さんにご覧頂きたい。これは2019年度のA高3年生の過去3年間に渡る全統模試の数学の成績推移をグラフにしたものである。(※高3の資料については、理系志望者のものを採用している。)

 一見して分かるのは、全国平均を大きく超える入学当初のA高生の優秀さである。しかし、どうやらその優位性は長くは続かないようだ。高3にもなると状況は一変し、学力はどんどん低下する一方で、全国平均にすら届かない状態のまま入試本番を迎えざるを得ない状況となっている。要するに、A高は「進学高」としてのマネージメントに失敗しているということである。また、このことが個々のA高生のその後の人生に、いかに大きな影響を与えているかは想像に難くない。


 では、A高は今、何をなすべきなのか。まず、早急にこのような事態を招いた原因を徹底的に究明することである。カリキュラムの内容、使用されている教材、指導方法、教師が日常的に子供たちに発信しているメッセージの内容、学校のアイデンティティーのあり方、管理者の価値観等々、あらゆるものを俎上に載せ、細部に渡って徹底して検討する必要があると考える。場合によっては、外部の声を積極的に取り入れる必要もあるだろう。(僭越ながら、もし、私どもに協力出来ることがあれば、喜んでお手伝いしたいと思う。)


 学校の最大の使命は、未来を担う子供たちの潜在能力を最大限に引き出すことである。今回明るみに出た事実は、学校のあり方そのものを問うているように思われる。


 

 

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