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  • 青木敏朗

中国人学生の優秀さと日本の未来



 先日、20数年に渡って長い付き合いのある友人から、若い頃からずっとエンジニアとして外資で働き、ドイツ暮らしの長かった弟さんが、最近、中国に転勤になったという話を聞きました。


 ドイツ駐在中は、現地での生活を楽しみながら、結構、ゆったりと仕事をしていたそうですが、中国で働くようになって、中国人の同僚達の優秀さや仕事に対する熱意にたいそう驚いたというんですね。彼らは新しい技術にいち早く対応し、チャレンジ精神が旺盛で、凄いスピードで仕事をこなし、ついていくのが大変だというのです。また、中国の若者が総じて野心に溢れ、勉強熱心である一方、国内の現状を見ると、将来、日本は大丈夫なんだろうかと不安を覚えると語っていたそうです。


 今年8月、「現代ビジネス」というサイトに「週刊現代」8月10・17日合併号に掲載されていた「東大・京大・早慶では『中国人留学生』が圧倒的に優秀という現実」いう記事が転載されていましたが、その内容を読んで、驚きを通り越し、恐怖感さえ覚えてしまいました。


 記事によると、今、東大、京大、慶応、早稲田などの名門校に中国人留学生が多数在籍し、その多くが日本人が太刀打ちできないほど、優秀な成績をおさめていると言うんです。


 中国には、「全国普通高等学校招生入学考試(通称「高考:ガオカオ」)」という「中国版センター試験」があり、北京大学や精華大学などの「国家重点大学」を目指し、毎年約1000万人の受験生が激烈な競争を繰り広げているそうです。記事中に、東大大学院に通う中国人留学生のこんなエピソードが紹介されていました。


 「高校時代は朝6時に起床し、体操をして、朝食を食べたら、後はずっと勉強でした。中国の中学・高校は寮生活を送る学生が多いですし、日本のような部活動も基本的にはありません。なので、ずっと勉強漬けなのです。高校1年のうちに、3年間分のカリキュラムをすべて終え、2年からは高考(ガオカオ)にむけた受験勉強です。休日は朝7時から深夜2~3時まで勉強する生徒も珍しくありませんでした」


 このような学ぶことに貪欲な中国人学生と、学習意欲に欠けた生徒の多い緊張感のない日本の学校の現状を見比べると、背筋が寒くなってしまいます。


 例えば、私の住んでいる地域を代表する某公立進学校は、域内の公立中学の成績上位者が多数入学しますが、進学校という世間での位置づけにも拘わらず、大半の生徒はクラブ

活動一辺倒で一日の勉強時間は1時間半ほどに留まっています。私の知る限り、近辺の市町村の高校も、状況は似たり寄ったりであるようです。


 中国では1000万人もの受験生が寝る時間も惜しんで猛烈に勉強する一方、日本のセンター試験受験者は60万人弱に過ぎず、しかも高校時代はクラブ活動ばかり熱中している。これでは、日本の将来がどうなるかは嫌でも見えてしまいます。恐らく急速に国力が低下し、やがては中国に取り込まれてしまうかも知れません。


 最近、私はうちの塾で学ぶ生徒達によくこんなことを言うようになりました。「少子高齢化は加速する一方だし、大半の若者は勉強もしないから、今のままでは日本が衰退するのは目に見えている。豊かな生活を求めるなら、将来、必ずしも日本で生活をすることを前提とせず、世界のどこでも働けるように一生懸命勉強しておかねばダメだよ。」


 「現代ビジネス」の記事は、最後、このような言葉で締めくくられていました。米中関係の悪化から、アメリカでは中国人留学生のビザが出にくくなっている今、大学進学のコストパフォーマンスが良く住みやすい日本に、今後、これまでアメリカに行っていた中国の最優秀層の学生たちが続々日本に流れてくる可能性が高く、将来、大学のトップ層は勿論、国内有力企業の中枢は中国人ばかりになるであろう。


 ご視聴ありがとうございました。


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