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将来、お子さんを大学に進学させたいとお考えの保護者の皆様へ
日本経済が今ほど低迷していなかった頃、中小事業者を中心に比較的経済状況に余裕があるご家庭では、お子さんを6年制私立中学にやることが当然のことのように見なされた一時期がありました。
当時、松阪のような地方都市ですら、6年制私立中学に入学するための競争には相当厳しいものがあり、合格するには小学校のかなり早い時期から準備をすることが必要とされていました。ところが、経済状況が厳しい昨今では、一先ずお子さんを公立中学に送り、高校受験の際に地元の公立トップ校に進学させるという選択が主流になってきたように思われます。
そういった社会状況に加え、少子化も相まって、一時期に比べると地方の6年制私立中学の入学試験の難易度はかなり低下し、本来ならば、進度の速い私立中学の授業にはついていけないようなお子さんも合格させねばならないといった状況が、伝統ある私立中学でさえ当たり前になってきたようです。
以上のような背景を踏まえた上で、以下の資料をご覧いただきたいと存じます。
これは、2022年1月現在、松阪市内、及びその近隣の高校に通う現3年生の過去3年間に渡る全統模試の数学の平均点を、各高校別にグラフにしたものです。いずれのテストも200点満点、高3については理系志望者のみの成績となっています。
一見して分かるのが、津市の6年制私立高校の学力の高さです。同校は県下でもトップクラスの進学校とされていますから、特に驚くべきことではないかも知れません。その一方で意外なのは、松阪と伊勢両市の公立トップ高校の高校1年時の点数の高さです。津市の6年制私立高校との学力差は想像するほど大きなものではありません。私なんかには、頑張ったら、いくらでもひっくり返せる程度の差のように見えます。ところが、時間が経つにつれ、その差は徐々に拡大していき、大学入試直前になると、受験の世界では圧倒的とも言えるような差が開くまでになってしまっています。なんだか、みすみすチャンスを逃しているようで、とても残念ですね。
特筆すべきは、松阪市内の6年制私立高校の健闘ぶりです。高校1年時には、上記の3校のいずれにも平均点で劣っていたのに、学年が上がるにつれ、どんどん学力が伸び、高3ともなると上記の公立2高に大差を付けています。(※ちなみに同校の中学部門では、私共の塾の卒業生が2人、数学教師として頑張っています。)
私共の塾には同私立中学・高校の生徒が毎年のようにやって来ますが、公立高校の生徒たちに比べると、受験に対する姿勢がかなり違うように思います。市内の某公立トップ高では、高1や高2の時は勿論、高3になってもクラブ活動に熱心ですが、上記私立高校では、高1の頃から将来の受験に備え、一生懸命勉強する生徒も少なくありません。
昨今の経済状況を考えると、公立高校を経て大学に進学すれば、経済的な負担も減らせ、節約につながるとお考えになる保護者の方も多いと思いますが、高3時の模試で何十点もの差が付けば、当然、進学する大学も大きく異なりますし、それが私立大学と国公立大学の学費の差、更には将来の職業や先々大きな経済格差につながることを考えれば、本当に公立高校に進学することに経済的合理性があるかどうか、疑問を感ぜざるをえません。
教育は、将来に対する投資です。受忍限度内に留まる範囲の経済的負担であれば、お子さんを6年制私立に送ることで、むしろ将来の経済的豊かさを生み出すことにつながるものであるという視点も大切なのではないかと思います。とは言え、公立高校に進学して、クラブなどに時間を浪費せず、学業に専念するというのが最善の策なのかも知れませんが.....。
